第29回社団戦 初日 - クオリティスタート
2018年7月2日 日曜日 東京 浅草
例年よりも早い梅雨明けをした東京は、朝からねっとりした暑さが漂っていた。じわりと汗をかくが、それは暑さのせいだけではなく、僅かな緊張感と仄かな高揚感がもたらしたものでもあった。
そう、遂にこの日が来た。第29回社団戦が開幕する。
奮わなかった昨年の結果により、私たち - 両チーム共に6部から7部に降格した。7部は赤白2部リーグではなく、20チームによる1リーグ制で1~4位が昇格する。同系列チームは対戦しないことになっているため、"ねこまど"と"ねこまどタマ"の対戦は無い。組み合わせを考える運営スタッフの煩雑さを減らすためにも、私たちは少なくとも1チームは昇格しなければならない。
新しいメンバーも加わり、また新たな気持ちで臨む社団戦。初期メンバーにとっては4回目の参戦となるが未だに慣れている感じはしない。気負いすぎかもしれないが、大会なのだから勝ちにこだわらなければならない。
会場に着くと新参加チームもちらほらと見える。藤井七段効果かどうか分からないが、級位者層の参加も増えているように思われる。女性の参加も増えている。1部~4部と5部~7部とはフロアが違うのだけれども、1部~4部のフロアはガチ層が多いこともあり、あの雰囲気は健在だが、5部~7部フロアは随分と明るく楽しげな人が多い。
許してほしいが、初日のブログには必ず初回参加の初戦の事を書きたいと思っている。
私たちが最初に参加した3年前の5部は、殺伐とまではいかないものの、虎視眈々と勝ちを掠め取ろうとする熟達の面々が待ち受けており、まんまとその罠にかかってしまった。棋力が足りていないし、雰囲気にも飲まれた。あの時の初日は溜息すら出ない絶望感で、闇より暗い空間に放り込まれた感覚にすら陥っていた。
さて、時間を現在に戻そう。
私たち2チームは昨年の反省を踏まえ、チーム編成の際に棋力を考慮することにした。ただ、正確な棋力は分からない、いや、それほどメンバー間で差が無い。新しいメンバーもいる。そのため、まずは去年の結果を踏まえて振り分けて、加えてトップチームでの参加への希望をとった。厳密ではないものの、1チームは昇格を目指し、もう一方は社団戦に慣れるということを当面の目標にした。
社団戦は7人による団体戦で、多くのチームは1将に強い人をもってくる。下がるにしたがって棋力も下がる構成にするチームが多い。それはつまり、上の方であたると厳しい戦いになるということでもある。必ずしもすべてのチームがそういう構成ではないが、傾向としてそうなることが多い。また、級位者中心のチームであっても、高段者が数人入っていることもあり、そういうチームは順番が上の方が強い人だ。棋力を抜きにしても、1将として戦うということは、そのチームの顔でもあるから、精神的な強さも必要である。
スタートは「楽しむ」の言葉と共に。
実際は苦しいことが多い将棋だからこそ、楽しむ気持ちを持たなければならない。
言葉は口に出し、文字として書き出すことにより力が生まれる。
集合写真を撮り、さあ、楽しむ時間だ。
2チームそれぞれが対局に向かう。
初日の傾向として、ねこまどは時間を多く使い、ねこまどタマ(ねこタマ)は早く終わる対局が多い。ねこタマが全ての対局を終えても、ねこまどが1局も終わっていないということもあった。悪くない。与えられた時間をちゃんと使うことも勝率を上げるために重要な事である。ねこタマも見習おう。
私たちは幸い7名より多くのメンバーを有している。棋譜を取ったり、写真を撮ったり、仲間の対局を観たり、後に役立つための活動も可能だ。
1回戦が始まる。
始まってしまえば、あとは盤面に集中するだけ。とはいえ、それが難しい。
チームとしては、ねこタマが先に全ての対局を終える。5勝2敗で、チーム1勝。
その後、ねこまども 6-1 で終えてチーム1勝。
幸先が良い。両チームとも初戦にしてチーム1勝を勝ち取ることができた。
ねこまどの S 氏は、いつも「劣勢で負けるかと思った」と言うが、それは「俺は終盤が強い」と言いたいのだろうか?w いずれにせよ、逆転勝ちなどもあったようで、それも将棋である。最後の最後まで諦めないで指し続けることこそが勝ちへの第一歩である。
7部に降格したとはいえ、同様に降格したチームもあるし、初参加チームでも強い伏兵はいるだろう。それでも、私たちは Good Start を切ることができた。
1回戦
ねこまど - バー tobe (6-1)
ねこタマ - 幕張本郷4 (5-2)
2回戦
ねこまど - バンボーレ (4-3)
ねこタマ - 石神井将棋教室 (2-5)
3回戦
ねこまど - Shogi 乙女 (4-3)
ねこタマ - 将棋ネット (5-2)
4回戦
ねこまど - 専大ポルトノ (5-2)
ねこタマ - 棋心ジュニア (5-2)
トータル
ねこまど 4-0
ねこタマ 3-1
全員ではないが、初参加メンバーも含めて初日が出た。
その中でも、tmt が指した将棋は印象深い。自陣で入玉してきた相手の玉を仕留めたのだ。対局の全ては観ていないのだが、両者の執念を感じる壮絶な投了図。これこそ社団戦である。
ねこまどが Shogi 乙女に辛勝 (4-3) というのも驚きである。代理戦争でもあるので、絶対に負けられないから「7-0で」と注文をつけていたが、主力が負け、あわやチームとして星を落とすところだった。彼女たちは実力をつけている。私たちは伸びていない・・
ねこタマも対戦予定があるから気を引き締めなければならない。
初日の成績は良かった。クオリティスタートだ。
だが油断してはならない。満足してはならない。降格したという事実も忘れてはならない。
ねこまどは、今のところ自力昇格圏内だから、このまま進み続けたい。
ねこタマの方は、各個人が確実に勝ちを目指し、チームとしては負け越さないようにしていきたい。詰将棋もやらないとダメだよ。
大人メンバーは打ち上げで美味しいお酒を楽しんだ。
いつになく明るい打ち上げ。
そして誓う。
「平成最後の社団戦を楽しんで楽しんで、昇格するぞ!」
(文 : @totheworld)
例年よりも早い梅雨明けをした東京は、朝からねっとりした暑さが漂っていた。じわりと汗をかくが、それは暑さのせいだけではなく、僅かな緊張感と仄かな高揚感がもたらしたものでもあった。
そう、遂にこの日が来た。第29回社団戦が開幕する。
奮わなかった昨年の結果により、私たち - 両チーム共に6部から7部に降格した。7部は赤白2部リーグではなく、20チームによる1リーグ制で1~4位が昇格する。同系列チームは対戦しないことになっているため、"ねこまど"と"ねこまどタマ"の対戦は無い。組み合わせを考える運営スタッフの煩雑さを減らすためにも、私たちは少なくとも1チームは昇格しなければならない。
新しいメンバーも加わり、また新たな気持ちで臨む社団戦。初期メンバーにとっては4回目の参戦となるが未だに慣れている感じはしない。気負いすぎかもしれないが、大会なのだから勝ちにこだわらなければならない。
会場に着くと新参加チームもちらほらと見える。藤井七段効果かどうか分からないが、級位者層の参加も増えているように思われる。女性の参加も増えている。1部~4部と5部~7部とはフロアが違うのだけれども、1部~4部のフロアはガチ層が多いこともあり、あの雰囲気は健在だが、5部~7部フロアは随分と明るく楽しげな人が多い。
許してほしいが、初日のブログには必ず初回参加の初戦の事を書きたいと思っている。
私たちが最初に参加した3年前の5部は、殺伐とまではいかないものの、虎視眈々と勝ちを掠め取ろうとする熟達の面々が待ち受けており、まんまとその罠にかかってしまった。棋力が足りていないし、雰囲気にも飲まれた。あの時の初日は溜息すら出ない絶望感で、闇より暗い空間に放り込まれた感覚にすら陥っていた。
さて、時間を現在に戻そう。
私たち2チームは昨年の反省を踏まえ、チーム編成の際に棋力を考慮することにした。ただ、正確な棋力は分からない、いや、それほどメンバー間で差が無い。新しいメンバーもいる。そのため、まずは去年の結果を踏まえて振り分けて、加えてトップチームでの参加への希望をとった。厳密ではないものの、1チームは昇格を目指し、もう一方は社団戦に慣れるということを当面の目標にした。
社団戦は7人による団体戦で、多くのチームは1将に強い人をもってくる。下がるにしたがって棋力も下がる構成にするチームが多い。それはつまり、上の方であたると厳しい戦いになるということでもある。必ずしもすべてのチームがそういう構成ではないが、傾向としてそうなることが多い。また、級位者中心のチームであっても、高段者が数人入っていることもあり、そういうチームは順番が上の方が強い人だ。棋力を抜きにしても、1将として戦うということは、そのチームの顔でもあるから、精神的な強さも必要である。
スタートは「楽しむ」の言葉と共に。
実際は苦しいことが多い将棋だからこそ、楽しむ気持ちを持たなければならない。
言葉は口に出し、文字として書き出すことにより力が生まれる。
集合写真を撮り、さあ、楽しむ時間だ。
2チームそれぞれが対局に向かう。
初日の傾向として、ねこまどは時間を多く使い、ねこまどタマ(ねこタマ)は早く終わる対局が多い。ねこタマが全ての対局を終えても、ねこまどが1局も終わっていないということもあった。悪くない。与えられた時間をちゃんと使うことも勝率を上げるために重要な事である。ねこタマも見習おう。
私たちは幸い7名より多くのメンバーを有している。棋譜を取ったり、写真を撮ったり、仲間の対局を観たり、後に役立つための活動も可能だ。
(開会式では渡部愛 新女流王位からの挨拶も)
1回戦が始まる。
始まってしまえば、あとは盤面に集中するだけ。とはいえ、それが難しい。
チームとしては、ねこタマが先に全ての対局を終える。5勝2敗で、チーム1勝。
その後、ねこまども 6-1 で終えてチーム1勝。
幸先が良い。両チームとも初戦にしてチーム1勝を勝ち取ることができた。
ねこまどの S 氏は、いつも「劣勢で負けるかと思った」と言うが、それは「俺は終盤が強い」と言いたいのだろうか?w いずれにせよ、逆転勝ちなどもあったようで、それも将棋である。最後の最後まで諦めないで指し続けることこそが勝ちへの第一歩である。
7部に降格したとはいえ、同様に降格したチームもあるし、初参加チームでも強い伏兵はいるだろう。それでも、私たちは Good Start を切ることができた。
1回戦
ねこまど - バー tobe (6-1)
ねこタマ - 幕張本郷4 (5-2)
2回戦
ねこまど - バンボーレ (4-3)
ねこタマ - 石神井将棋教室 (2-5)
3回戦
ねこまど - Shogi 乙女 (4-3)
ねこタマ - 将棋ネット (5-2)
4回戦
ねこまど - 専大ポルトノ (5-2)
ねこタマ - 棋心ジュニア (5-2)
トータル
ねこまど 4-0
ねこタマ 3-1
全員ではないが、初参加メンバーも含めて初日が出た。
その中でも、tmt が指した将棋は印象深い。自陣で入玉してきた相手の玉を仕留めたのだ。対局の全ては観ていないのだが、両者の執念を感じる壮絶な投了図。これこそ社団戦である。
ねこまどが Shogi 乙女に辛勝 (4-3) というのも驚きである。代理戦争でもあるので、絶対に負けられないから「7-0で」と注文をつけていたが、主力が負け、あわやチームとして星を落とすところだった。彼女たちは実力をつけている。私たちは伸びていない・・
ねこタマも対戦予定があるから気を引き締めなければならない。
初日の成績は良かった。クオリティスタートだ。
だが油断してはならない。満足してはならない。降格したという事実も忘れてはならない。
ねこまどは、今のところ自力昇格圏内だから、このまま進み続けたい。
ねこタマの方は、各個人が確実に勝ちを目指し、チームとしては負け越さないようにしていきたい。詰将棋もやらないとダメだよ。
大人メンバーは打ち上げで美味しいお酒を楽しんだ。
いつになく明るい打ち上げ。
そして誓う。
「平成最後の社団戦を楽しんで楽しんで、昇格するぞ!」
(文 : @totheworld)
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