自戦記 社団戦2日目 - 踏み込むべきか

今回は自戦記を書く。
いつもはチーム全体の雰囲気を伝える記録としてブログを書くのだけれど、この日は2戦目から参戦することもあり対局会場に来たのは朝11時ぐらいだったからで、それは前日、シンガポール出張からの帰宅で夜11時となり、さすがに疲れていたからである。いつもよりは少し寝て、自分の対局に備えた。
それでも、実戦不足は否めなく2連敗で迎えた本日の最終局。対MARUZEN戦で二将としての対局である。

今シーズンは全て振り飛車で指すと決めている。
居飛車党の私が振り飛車を指すことにしたのは、将棋の幅を広げたいという思いと、昨年の室谷由紀女流二段の活躍に刺激を受けたから。あんなに華麗に飛車を捌いて勝てたら気持ちが良いに違いない。オールラウンダー志向の私は、ちょうど良い機会と考えた。年を重ねるにつれ、私は柔軟性を重視している。凝り固まっていては年を取るばかりだ。チャレンジをするんだ。

それでも直ぐに勝てるようになる訳ではなく。苦しい戦いは続いている。だが、いいじゃないか。振り飛車の感覚を掴むことは、観る将としての楽しみも増してくれている。

私の三間飛車、相手の居飛車で対局が進む。
駒組みの後、お互いの飛車角交換の大捌きがあり、結果として私が飛車2枚、相手が角2枚となり、以下の局面となる。(実際には先前逆、細かい箇所間違っているかも)




この直前の捌き合いにおいて、相手は飛車を7筋に移動し私の飛車にぶつけてきた。その場面で相当時間を使っている。そして、この局面。ここでも私は相当に時間を使ってしまう。序盤早々にして方針の分かれ道だから時間を使う事には躊躇はしなかった。しかし、結局は最後には時間に追われてしまうわけなのだけれども。

私の読み筋は二つ。
7二飛成とずばっと飛車をきって銀を入手し、6一飛車と打ち込む。相手の応手は7一歩。
もう一つは無難に7七桂と逃げておき、相手の6四歩に6五歩と合わせていくか。

私は受け将棋で攻めを繋ぐ技術に自信が無い。じわじわ指すと勝率が良い。集中力を切らさず長手数の将棋を指すのも苦にしない方だ。
だが、この日はやはり若干疲れていた。私は自信が無いながらも、斬りこむ手順を選ぶ。

6一飛の後の相手の応手は4一飛だった。
読みにない手で、私はまたしても時間を使わざるを得ない。たぶん、この手は最善の手には思えない。だが、だからこそ何か咎める手があるはずであり、読みを入れたい。ぱっと浮かぶのは5一銀。それを本線で読む。時間を使って、そして5一銀。

その後、相手の金駒2枚を剥がす手順を軸に相手陣に打ち込んだ飛車を活用する手順を考える。打って、取って、打って、取って、という手順があり、いよいよ時間が無くなってしまう。攻め込んでいるものの駒損もあるので、形勢としては互角。その状態での30秒将棋。この時点で私は負けを覚悟している。最善の手を続けない限り、この相手には勝てない。受け続ける将棋なのであれば、まだ私にも自信はあった。でも30秒で攻めを繋げていくのは冷静に考えると難しい。
途中、緩手が出てしまい、がっつりと受けの手(龍を自陣に引くとか)だったら良かったのかもしれないが、じり貧となってしまう。

177手。
随分と頑張ったが、最後はいとも簡単に私の美濃囲いが攻略された。
負けはしたが、秒読みで50手ぐらいは指しただろうか。やりきった感があった。

感想戦で対局相手に丁寧に教えていただいた。
勝負所での甘さが身に染みた。

3連敗。
チームは4敗。
厳しい結果だったが、私は妙に楽しかった。1か月ぶりの真剣勝負は、こう、何か、血を沸かすものがある。

打ち上げはモンブランという洋食屋さんで、食べ放題・飲み放題。
ハンバーグ、ステーキにフライという揚げ物尽くしに、自分の年齢も忘れ堪能してしまった。まあ、いいじゃないか。


さあ、次も頑張ろう。


(クボタ @totheworld)

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