自戦記 - まえかく

将棋を再開してから、およそ1年半。
個人の大会ですらあまり出場したことのない自分にとって、初めての団体戦である社団戦。正直、大会直前の調子は良くなかった。1週間前の練習会でもいい将棋はさせず、自分の勝ちパターンがわからず少し悩んでいた。とにかく、チームの指南書にもあったように、ひどい将棋を指さないこと、早くあきらめないことを目標に対局に臨んだ。

栄えある初日の第1局である。手番は先手。
初手は決めていた▲7六歩。△3四歩▲2六歩△8四歩と進み、相居飛車模様の出だしとなった(実は相手の振り飛車を予想していたのでそれは外れた)。
9手目、▲2二角成。自分から角を交換し戦型は角換わりとなった。矢倉か、角換わりなら戦えるのでは―そう思っていた。
そこからは駒組みが進み、相腰掛け銀に。緊張もあってか、指し手のテンポははやく、あまりじっくりとは考えていなかった。振り返ってみると、場の雰囲気にのまれてしまっていたのだと思う。
36手目、△6五歩。相手から仕掛けてきた。ここで自分は手抜いて、▲4五歩。この一手が敗着だった。以下、△8六歩▲同歩△6六歩▲同銀に△6四角が歩をとっての王手と桂取りの両狙いで厳しい。ここで、▲47金と守ったものの、△8六角▲7七銀△同角成▲同玉△8九飛成と竜を作られ、一気に寄り形に。
相手の攻めに丁寧に対処して、守りを固めなければ―今ここで時間をかけて考えても、成す術がない。持ち駒の銀と角で相手陣に働きかけるも、取られた飛車と金であっという間に詰まされてしまった。
悔しい、と思うよりもあっけない将棋になってしまった、というのが局後すぐの感想だった。



結局、この日の3敗はすべて角換わりで、中盤の仕掛けに失敗しての敗戦だった。
将棋は、相手がどう指してくるかわからない、だからこそ経験や知識を積み上げて勝負していくしかない。
そう感じた一日だった。

(以上)


まえかく

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