3年目の挑戦 - 聖なる戦い

今私の目の前には、真っ白な第28回社団戦リーグ表がある。
勝ちも負けも点数も何も記入されていない真っ新な状態のリーグ表をまじまじと見て、これからの戦いの厳しさを想像している。過去の苦い経験を思い起こさないわけにはいかない。それは私の原点でもある。徳川家康が敗戦の際に自らの肖像画を描かせたのと同じように、私は私たちの1年目の敗戦を語らなければならない。


季節折の低気圧で古傷が痛むがごとく、開幕直前の時期は心が少し重くなる。
2年目はまずまず頑張ってリーグ10位。降格して下のリーグで戦ったこともあり、大鉈でバッサリと斬られるような事は無かった。良く言えば善戦。でも手応えを感じるまでには至っていない。なので2年目から参加したメンバーには傷は無いのかもしれない。

3年目の今年はメンバーが増えた。
1チームで戦うには多すぎ、2チームで戦うにはギリギリの人員。
ねこまどチームは勝つためだけに棋力の高い選手をいれるという方針はとっていない。ねこまど将棋教室を通して、楽しく将棋を続けていけるということを加入条件にしている。
それでも負けると辛く、次こそは勝とうと誓う。

メンバーが増えると意識の統一は難しくなる。
1年目のショックを知らないメンバーは、単なる将棋大会としか思っていないかもしれない。
それは致し方ないことなのだけれども、この社団戦の戦いは、私たちの地位と名誉を回復するための聖なる戦いなのである。5部に復帰するまで続く失地回復作戦だ。失ったものは取り戻さなければならない。


先日、1か月前ということもあり改めてチームミーティングを開催した。
メンバー同士の鬼気迫る議論を見て欲しい。怒号と罵声が飛び交い、感情を押し殺すことができず手まで出る始末だ。それほどに私たちは熱くなっている。

社団戦リーグ表に目を戻す。
本当に大変な戦いが待ち受けている。
過去に惨敗したチーム、5部時代に対戦して手も足も出なかったチーム、また対戦するのかと思うと恐ろしい。

加藤一二三九段は、「今まで負けると思って対局に向かったことはありません」と力強く話されている。強い気持ちを持てるということも能力のひとつであるが、これなら誰でもできるのではないだろうか?大先輩からヒントを貰い、私たちも堂々と戦えばいいい。ダビデは戦いに走るのだ。ゴリアテという強敵を倒すのである。

3年目のねこまどチームも、この方針は継続する。

「みんなで楽しみながら 一緒に強くなる!」

まず先に楽しむこと。その先に強くなることが待っていることと信じて、仲間と歩みを進めていきたい。一緒に戦うことで、私たちはストーリーを共有する。お互いの感情を理解しあえる仲間になれる。

このブログの最後に、もう一度、加藤先生の言葉を借りたいと思う。

「猫は音楽が分かる」


(文 @totheworld)

コメント

このブログの人気の投稿

護摩修行について報告

社団戦2日目 自戦記「ナナメ棒銀不発」 内山あや

5年目の開幕戦(ねこまど社団戦チーム)